
「海が見たい…人を愛したい……」怪獣のバラードの歌詞がふと頭に浮かぶようになったら、そろそろ海の見える街へ旅に出る頃合いです。わたしにとって、海といえば海岸よりも港町。今回は、関西の中心から京都の日本海のまち「舞鶴」へひとり旅に行ってきました。
特急に乗って、大阪・京都から舞鶴へ。

舞鶴には「西舞鶴」と「東舞鶴」の2つの駅があります。今回の目的地は、赤れんがパークなどがある「東舞鶴」。行きは大阪〜東舞鶴、帰りは東舞鶴〜京都のルートにしました。
行きの大阪駅から舞鶴へ向かうには、いくつかルートがあります。(調べると、高速バスも出ていました。)今回はこちらのルートで行きました。
- 「特急こうのとり」で大阪駅〜福知山駅
- 福知山駅で京都方面の普通電車に乗り換え
- 綾部駅で東舞鶴行きの普通電車に乗り換え
※こちらの経路は兵庫県側を大きく回り込むので、少し遠回りですし、特急料金も高めです。大阪から舞鶴へ行く場合は、一旦京都駅まで行ってから、特急「まいづる」に乗るのが効率的でおすすめかもしれません。
今回は急ぐ旅ではなかったのと、昨冬に山陰本線(嵯峨野線。京都発のルート)を通って旅していたこともあり、違う景色を見るために福知山線の特急(こうのとり)に乗ってみました。

帰りは特急「まいづる」で、東舞鶴から京都まで。歩き疲れた帰路には、乗っているだけでたどり着ける簡単なルートが助かりますね。
day1🕊️港町の宿と海軍ゆかりのレストラン
東舞鶴駅を出て、商店街をまっすぐ北へ坂を下って行きます。宿までは15分ほどの道のり。アーケード商店街や、かつての軍艦の名前にちなんだ通りにレトロさを感じます。ときにはお屋敷のような建物まで!

チェックインしたのは、潮路通沿い、舞鶴港の向かいに建つ「シーサイドホテルパルコ」。朝食付き、シングルの部屋で6000円で泊まれました。平日とはいえ、ゴールデンウィークに挟まれた日程でお安く泊まれて助かりました。

ホテルに向かう途中で気になった建物「松栄館」を調べると、なんと洋食レストランでした。しかも、昔の日本海軍のレシピ集『海軍割烹術参考書』に基づいたレシピで、当時の料理を再現しているとのこと!
実はわたしもこの本を持っていて、ページをめくるたびに想像を膨らませていた一冊でした。ぜひ、夕食をここで取りたい……!

平日の夜だったので、お店に行くと「30分後なら大丈夫だと思います」と言っていただけて、予約なしで入ることができました。サイトを見ると夕食の営業はすぐ予約でいっぱいになるようなので、平日であっても予約をしておくのが安心だと思います!
なお、松栄館の2階は、レストランを利用しなくても出入りと見学が自由な展示室になっています。レストランと展示室へのわかれ道は廊下の奥にあるつくりなので、玄関で案内の方を待つのではなく、廊下を進んでレストラン利用の旨を伝えるのが自然かもしれません。
(わたしはお屋敷の雰囲気に緊張して玄関でキョロキョロしてしまい、わざわざ出てきていただいてしまいました、すみません……。)

わたしが頼んだのは、「ロールキャベジ」のセット。『海軍割烹術参考書』にも、「ロールキャベーチ(キャベツ)附トマトソース」というメニューがあります。
普通のロールキャベツとは様子が違う、キャベツを半分に割っただけかのような豪快な見た目にワクワクが止まりません。

ソースはデミグラスとカレー。ひとり旅はお料理のシェアができないので、何を食べるかを厳選しなければならずとても悩むのですが、ソースが2種類で、それも海軍レシピといえば! のカレーを入れてくれているのが嬉しいです。

お客さんは一人の方も多くまったく浮きませんし、お屋敷の中の素敵なレストランでは、ありますが服装も特に決まりがなさそうでした。
帰り際に、2階の展示室にも寄りました。東郷平八郎さんと、日露戦争に関する展示が中心のようでした。

day2🕊️舞鶴港クルーズと赤煉瓦パーク

9時前にチェックアウトを済ませて、15分ほど歩いて赤れんがパークへ。「舞鶴赤れんがパーク」で9時から販売されている「海軍ゆかりの港めぐり遊覧船」の当日券をまずは購入します。
荷物を預けたいと相談すると、赤れんがSHOPのある「赤れんがパーク3号棟」にコインロッカーがあると案内してもらいました。身軽になったついでに、お土産も下見。かつての海軍や、現自衛隊の船ごとのレトルトカレーがたくさん並んでいました。

まずは「海軍ゆかりの港めぐり遊覧船」へ!
10時、いよいよ約40分の軍港クルーズへ。小さな船に乗り込んでいきます。基本的な特等席は右側です。港を反時計回りにめぐり、ガイドさんが右手に見える船や施設を順番に解説してくれるのです。
かと言って、左の席が損をするわけではありません。わたしも左側に座りましたが、左側の窓から見える景色は”穴場”のようになるので、説明に耳を傾けながらも、写真の撮りやすい窓からシャッターチャンスを狙っていました。

右側の写真を撮ろうとするとこんな感じ。左側からも見やすいタイミングはあるので、左右の窓の景色を楽しみます。

左側ならバッチリ撮影できます。

めぐる港は同じでも、任務の具合によって停泊している護衛艦の数が違ったり、陸の施設で行われている訓練が違ったりします。それによってガイドさんのお話も変わるのがおもしろいところです。「2隻だけ……のときとか、何喋ろっかなって思います〜」とお客さんを笑わせていたのに、プロ意識を感じました。
赤れんがSHOPと昨年オープンした「atick」でお土産さがし
遊覧船を降りたら、ショッピングと昼食へ。昨年9月にオープンしたばかりの「atick」へ。赤れんがパークから、神社のようなちょっと長めの階段を登った高台にある商業施設です。

舞鶴のお土産(なんだかちょっとおしゃれに感じる)やBEAMS JAPANのほか、とにかくセンスを感じるアパレルや雑貨のお店が並んでいました。大きな窓から海を眺められるカフェ「GOOD SOUND COFFEE」が気になったけど行かなかったのが悔やまれる......! 海を眺めてぼーっとするのにぴったりだろうなあ。
ドッグラン、サウナ(!)、展望台などもあるそう。最新の商業施設なのにどこか舞鶴に馴染んでいる感じがするのは、隣の赤れんが倉庫が時代を超えても違和感のないデザインだからでしょうか。
旅の記念に、小さなキーホルダーをひとつ買いました。

「舞鶴」の名前のとおり、鶴が舞う姿をモチーフにしたもので、海軍の碇のマークと「鎮守府」の文字。ちょっと海軍チックなお土産を探していて、直球なグッズしかなかった中で、手に取りやすいデザインでした。
お土産のほとんどが食べ物でしたが、ひとつ「モノ」を持ち帰ると、旅の余韻が長持ちする気がします。
ランチは海軍カレー
昼食は2号棟の「cafe jazz」にて海軍カレーを。

美味しかったですが、個人的には、以前訪れたときに食べた「5号棟カフェ」のカレーの方が好みだったかもしれません。やっぱり護衛艦レシピで一番おいしいと名高い「ふゆづき」のレシピを再現しているから、美味しいのかしら……。
こうやってカレーの食べ比べができるのも、海軍ゆかりのまちならではですね。atickのGOOD SOUND COFFEEのメニューにも、おしゃれなカレーがあったので、また今度訪れたら食べてみたいです。
舞鶴をあとにして
少し早めに、東舞鶴を14時ごろ発の特急「まいづる」に乗車。綾部までは進行方向が逆なのがおもしろいです。
座席に座ると、足が疲れていることに急に気がつく旅の帰り道。着いてからも旅を延長させたくて、駅弁買っちゃおっかな、それとも駅で食べて帰ろうかな、と企みながら帰路につきました。
舞鶴での滞在時間は約20時間ほど。詰め込めば日帰りでも大丈夫な旅程でしたが、1泊2日ならではのスローペースで、海の見える景色をたくさん楽しめたのがよかったです。
今回はほとんど徒歩でも移動しないコースでしたが、今度はレンタサイクルを借りてアクティブに観光して回ってもいいなあ。